看護師試験の受験科目

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看護師学校に入るには「現代文」が必須

 私の膝の上にどすんと乗ってる5歳児は、私の髪をぎゅーっと引っ張る。 イテテテと涙目になっている私の横で、その5歳児の母である友人がもっと涙目になって頭を抱えていた。 「現代文ができない。ケンジの気持ちが私にはさっぱり理解できない」と旦那さんではない男の名を呼ぶ彼女。 ケンジというのは、今、友人が闘っている現代文(小説)に登場する少年の名であって、 友人の浮気相手ではないのはわかりきっているわけだけど、どっちにしろ彼女はケンジの気持ちに振り回されている。 誰だよ、ケンジ。

 「ケンジの気持ちがわからないと、看護学校に入れないの?」と私は困惑。 「看護学校の入学試験には『現代文』があるの。私、学生時代『現代文』がすっごく苦手だった」と涙声の友人。 ケンジの気持ちなんて、ケンジにしかわからないのに、それを答えろという無茶ブリっぷりに心底腹が立つ。 何を隠そう、現代文で偏差値28という素敵な数字を生み出した私は、その友人の気持ちがよくわかる。 看護師試験の受験科目に『現代文』があるなんて驚きだ。

 友人の話だと、看護学校に入るための試験に『現代文』があるのであって、 看護師試験の受験科目はもっと別次元のものだという。 こんなのとか、あんなのとか、あるのよ。と、得意気に友人は教えてくれたけど、 名前からして難しそうで、「うわぁ…」と私が受験するわけじゃないのにゲンナリしてしまった。 何せ国家資格なのだから、ケンジどころじゃないのよ、と言う友人の目は涙目を通り越して充血していた。 うん。一旦、ケンジは置いておこう。そんな男のことは早く忘れよう。

 「現代文は置いておいて、他の科目やったら?」と5歳児の頭を撫でながら言った。 こくん、と頷いて友人は参考書を手に取った。 「あいうおんつぅ〜」と滑稽な英語が奏でられる。母に続いて、子も「あいうおんつう〜」と二重合奏。 チビの発音の方が綺麗じゃない?気のせい? どっちにしろ、試験は筆記だから、発音は関係ないんだけどね。

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